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個別指導の話し

弊社では、開業支援後も事務長としてクリニックのサポートを行っております。

先日は「個別指導」があり院長と伺ってきました。

 

今回は「個別指導」でしたが、

他にも「集団指導」「新規個別指導」「集団的個別指導」がありますね。

 

「集団指導」は、新規指定時などに行われる講習会や、診療報酬改定時に行われる説明会となり、

「新規個別指導」は、開業後 3年以内に必ず行われますので、集団指導や新規個別指導は、開業されている先生であればご存じかと思います。

 

「集団的個別指導」については、

レセプトの平均点数が高い医療機関が対象となり(詳細は割愛します)、

講習会形式と面接形式で実施されます(面接形式がないケースもあります)。

 

今回、伺ってきました、

「個別指導」については、既存の医療機関からの選定となります。

まず選定理由について「高点数」と「情報提供」がありますので下記に記載いたします。

 

「高点数」ですが、レセプトの平均点数が高いケースとなります。

高点数の場合、まずは「集団的個別指導」を受けるかたちとなります。

以前に「集団的個別指導」を受けられた事がある医療機関は、 指導後も高点数が続いているなど、

高点数が選定された理由として考えられます。  

 

「集団的個別指導」を受けられたことが無い医療機関の場合は、次の「情報提供」が理由として考えられます。

審査支払機関や保険者、患者様からの情報、元職員からの告発など、

保険請求が適切に行われていない、不正が考えられるなど、診療内容や診療報酬の請求に関する情報を元に選定されます。

 

※その他の理由として、監査を受けられて戒告 / 注意となった医療機関や、集団的個別指導を拒否したり、

 既に新規個別指導や個別指導を受けられており、結果「再指導」となった場合などがあります。

 

 

個別指導ですが、具体的な選定理由は明かされませんので院長先生は不安になります。

算定要件を満たさないと指摘された項目は自主返還を行うことになりますし、

不正請求など、悪意があるような内容の場合、「監査」に移行する可能性もありますので、

指導当日の対応を慎重に行う必要があります。

 

指定される患者数は新規個別指導よりも多く、指導時間も長くなります。  

 

・新規個別指導:指定患者数 10人(カルテは初診時から)、指導時間 1時間

・個別指導:指定患者数 30人(カルテは初診時から)、指導時間 2時間

 

また、新規個別指導は、指導日の1週間前に、指定の患者情報(10人分)が届きますが、

個別指導の場合は、指導日の1週間前に20人分、指導日の前日に10人分の患者情報が届きますので準備が大変です。

 

単純な話ですが、

電子カルテの場合は、A4用紙やプリンターのインク(トナー)も多めに準備しておく必要がありますし、

当日は厚生局での指導となりますので、どのようにカルテや添付資料を持参するかも、

事前に決めておく必要があります。

 

指導に関しては、

事務的な内容の確認後、レセプトとカルテでの突合による指導となります。

指導内容について、抜けが無くすべて理解する為に録音をすることは可能となります。

※指導内容を録音される際は、事前に申し出が必要となり、

 また患者様の個人情報が含まれますので、当然 外部に漏らす事は出来ません。

 取扱いに注意が必要となります。

 

また、指導では事前に申し出れば、弁護士の帯同も認められるようになりました。

(※弁護士の帯同の際、基本的に弁護士は発言できません)

 

主な指導内容としては、医学的な根拠のもとで診療がされているか、

病名について、レセプトを通すために付けられていないか、

医学管理等の算定時に、カルテへの指導内容の記載や添付書類の確認、主病名に対しての医学管理となっているか、

点滴や注射、検査など、治療の必要性についてなど、

カルテの記載内容を確認しながら指導されます。

 

特に病名や医学管理等に関しましては、

電子カルテでの、レセプト病名のチェック機能や自動算定機能のケースが多く、

細かく見られます。

 

治療・投薬の必要性、根拠について、

また、継続治療については、結果や評価について、

当たり前に行っていることでも、カルテへの記載が抜けていることがあるかもしれません。

カルテへしっかりと残す事、診療を行う上で非常に重要だと感じます。

 

■(関東信越厚生局)個別指導及び適時調査において保険医療機関等に改善を求めた主な指摘事項について

https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/gyomu/gyomu/hoken_kikan/hoken_shiteki.html

 

 

院長先生は経営者として孤独なケースが多く、

おひとりで悩まれ、不安を抱えられている先生もいらっしゃいます。

 

特に新規開業されたばかりの先生ですと、

信頼できるベテランスタッフがいなかったり、

誰に相談してよいかわからなく弊社へご相談いただく事もよくあります。

 

クリニック経営において、お困りのことがございましたら、

お気軽にご相談いただけますと幸いです。