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往診から訪問診療

貴院では往診はされていますでしょうか。

外来中心のクリニックでも、

特定の患者さんの往診を行われているクリニックは多いと思います。

 

今まで外来を受診されていた患者さんが入院されたり、

退院できても在宅医療となるケースは増えていますね。

 

クライアント先で、

少人数からですが、訪問診療を開始されたクリニックがあり、

弊社でもサポートしております。

 

最初は当然ですが、往診と訪問診療の違いについて、

経験が無く分からないスタッフがほとんどでした。

 

訪問診療は、患者さんの同意を得て、計画に基づいて患家に訪問しますが、

在宅療養計画書(同意書)の準備、患者さんご本人やご家族への説明、

ケアマネージャーや他の医療施設との連携も重要ですし、

算定のルールについても理解が必要となりますので、

いきなり始める事は大変ですね。

 

 

患者さんの療養計画はもちろんですが、

どのように訪問していくか、算定していくかも重要となります。

 

訪問診療の基本的な内容ですが、

「在宅患者訪問診療料(Ⅰ)(1日につき)」については、

下記の「1」と「2」があります。

 

・在宅患者訪問診療料1

  イ 同一建物居住者以外の場合 833点

  ロ 同一建物居住者の場合 203点

 

「在宅患者訪問診療料1」は基本的な訪問診療の点数となり、「イ」「ロ」に分けられます。

 

同一建物との記載については、社会福祉施設やマンションなどの集合住宅に居住している患者さんに、

同一日に複数の診療をされるかどうかで、点数が大きく変わります。

 

 

また、下記の「在宅患者訪問診療料2」は、

在医総管などの算定要件を満たす他の保険医療機関からの依頼により訪問診療を行った場合の算定となります。

 

・在宅患者訪問診療料2

  イ 同一建物居住者以外の場合 830点

  ロ 同一建物居住者の場合 178点

 

 

基本的なケースを記載すると、

同一の患家について、1世帯で患者Aと患者Bの2名を診療するケースは、

患者Aは「訪問診療料」の高い方「イ」の算定、患者Bは「初・再診料」の算定となります。

 

また、同じ日にマンションなど同一の建物で2世帯を訪問するケースで、

1世帯目に患者Cと患者Dの2名を診療し、2世帯目は患者Eを診療する場合、

全員が「訪問診療料」の低い方「ロ」の点数の算定となります。

 

訪問する日を分ける事で、患者Cと患者Eは「訪問診療料」の高い方「イ」の点数を算定し、

患者Dは「初・再診療」の算定となります。

訪問日も考慮し、それぞれの点数を確認していく事は重要です。

 

 

訪問診療の交通費は、患者さんの負担となり、

診療時間が1時間を超えた場合は、「患家診療時間加算」があります。

「在宅患者訪問診療料1」に限りますが、患者さんを看取った場合は、看取り加算があり、

死亡診断を行った場合は「死亡診断加算」があります。

 

老人福祉施設など(常勤の医師がいないこと)への訪問診療や、

施設基準を満たしている内容については届出を行い、管理料を算定することも考えていかなければいけません。

 

今後、どこまで訪問診療を行うか、重篤な患者さんの対応など、

毎月カンファレンスを行い確認をしながら進めています。